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8トラックテープとは、カートリッジ式テープの1種で、主にカーステレオ用途として、1965年に米リア・ジェット(Lear Jet)社から発売された。 102×136×22oのカートリッジの中にある一つのハブに、オープンリールテープと同じ約6.3o幅のテープがエンドレスループで巻かれている。 |
* カートリッジ内部の構造 *
カートリッジのテープ面をプレーヤー(デッキ)の挿入口に差し込み、強く押し込むことで、カートリッジ内のテープやピンチローラーがプレーヤーのヘッドやキャプスタンに密着し、自動的に再生が始まる。 |
* カートリッジとデッキの機構との関係図 *
* デッキで再生中の状況 *
(カートリッジの約1/3は格納されず外に出ている。)
テープのトラック数は8で、これが、呼び名の由来となっているが、2チャンネルステレオの音源を4プログラム収録することができる。 ほとんどのデッキでは、2トラックのヘッドが使われており、プログラムの選択は該当するプログラムのトラックにヘッドのギャップ部分が当たるように位置をずらすことによって行う。(一部のデッキは8トラックのヘッドを固定で使っていたらしい。) エンドレステープの1箇所(テープの繋ぎ目部分)にセンシング用のアルミ箔が貼ってあり、これをデッキのセンシングポールで検知することで自動的にプログラムを変更したり、イジェクト(オートストップ)する機構がデッキに内蔵されていた。 |
* テープ面 *
(テープの中央部分にあるのがセンシング箔)
* テープのトラック構成比較 *
(下段はコンパクトカセットのトラック構成)
ヘッドが動くことによるヘッドタッチの不安定性、エンドレステープであることやピンチローラーをカートリッジ内に内蔵していることによる走行精度の問題はあるものの、テープ速度がコンパクトカセットの倍の9.5p/sであることから、そこそこの音質は期待できた。 何より、その扱いの簡易さから、1970年代のカーステレオ用途のテープメディアとしてはほぼスタンダードとなり、70年代後半以降はカラオケ用のテープとしても多用された。 録音再生用というより、再生専用のミュージックテープとして使われることがほとんどであったが、カーステレオ用テープを自作するための録音再生機も存在し、そのための生テープも販売されていた。 本展示館では、当時各社から発売された録音用生テープカートリッジやデモテープなどを展示している。 |
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