カセット初の3ヘッドデッキ
録音時の同時アフターモニターを可能に!
○このデッキの特徴
本製品はカセットデッキとしては初めてとなる、3ヘッド構成のデッキである。 録音・再生兼用ヘッドに加え、独立した再生専用ヘッドを設けることにより、録音しながらの同時アフターモニターを可能とした。 今さらながらの解説になるが、3ヘッドデッキというのは、「消去」ヘッドが1つと「録音」「再生」のためのヘッドが2つ、計3つのヘッドを持ったもので、これに対して、「録音」と「再生」を1つのヘッドだけで兼用しているものは「2ヘッドデッキ」となる。 カセットデッキの場合、3ヘッド化するというのは簡単なことではない。 というのも、カセットテープの外殻(カートリッジ)の形は2ヘッドを想定して決められているので、カートリッジには下図のように3カ所(=ヘッド用×2+ピンチローラー用×1)しか大きな開口部がない。 |
* カセットの開口部とテレコのメカとの関係 *
(正面の開口部は、ヘッド2つ+ピンチローラーが入ることを想定している。)
このような条件の下で、3つ目のヘッドをテープにタッチさせるにはどうしたらよいのか? 本製品ではその解決策として、録再ヘッド用とピンチローラー用の開口部の間にある小窓を使っている。 この小窓は特定の用途のためではなく、予備的なエクストラホールだったようで、カセットテレコ初期には、オートストップ用のセンサー棒を差し込むために使われていたりもした。 そもそもヘッドを入れることなど想定していない小さな穴にヘッドを突っ込む(笑)、ということで、本製品の3つ目のヘッドである再生専用ヘッドは、その苦労の跡がうかがえるような独特の形をしている。 |
* ヘッド周り *
(左から、「消去ヘッド」「録再ヘッド」「再生専用ヘッド」「ピンチローラー」。
独特の形をした「再生専用ヘッド」の左に付いている金属はテープガイド。)
ところで、デッキを3ヘッドにする理由としては、主に次の2つのメリットが挙げられる。 |
(1) | 「録音」と「再生」のヘッドが別であるため、録音しながらその録音した部分を直ちに再生することができ、録音状態を確認(アフターモニター)することが可能となる。 |
(2) | 「録音」用と「再生」用それぞれ専用に性能を特化したヘッドを使うことができるため、高音質化が可能となる。 |
本製品の場合は、上記メリットのうち(1)に特化している。 どういうことかというと、録音ヘッドについては専用ではなく、2ヘッドのデッキと同じ録音・再生兼用のものが使われており、通常の再生もこのヘッドを使って行う。 再生専用ヘッドはアフターモニターの時だけ使うことになっているのだ。 |
* 「TAPE MONITOR」スイッチ *
(「ON」にすると再生専用ヘッドを使っての再生となり、アフターモニターができる。
通常再生時は「OFF/PLAY」側にして録・再兼用ヘッドを使う。)
要するに、本製品は基本的に2ヘッドデッキなのである。 それにプラスして、「正常に録音できているかどうか」とか「過大(過小)レベルで録音されていないか」などといったチェックを録音しながらできる機能が追加されたデッキということである。 実際、当時のカタログを見ても、「RS-276U」という2ヘッドのカセットデッキにアフターモニター用のヘッドとアンプ回路を追加した製品というイメージである。 |
* 右下が「RS-276U」で左下が本製品(当時のパンフレットより) *
(両方のスペックは寸法、重さまで同一だが、価格に2万円の差がある。)
(クリックすると拡大画像が表示されます。)
では、折角3ヘッドにしたのに、なぜ上記メリット両方ではなく(1)だけになってしまったのだろうか? 当時の雑誌記事などを紐解いてみると、主な理由は次のようなことらしい。 |
・ |
小窓部分にはヘッドとテープを圧着させるためのパッドが無いため、ヘッドタッチが変動しやすく安定したハイファイ再生が難しい。 |
・ |
録音と再生を異なるヘッドで行うとアジマスずれやトラックずれによる音質悪化が発生することがあるが、カセットハーフの精度などの影響もあるためデッキ側だけでの対応が困難。 |
要するに、ヘッド用として使うことを想定していないカセットの小窓から突っ込んだ再生専用ヘッドでは、ヘッドタッチが安定せず、ハイファイ再生が難しいということのようだ。 本製品以降に他社から発売された本格的3ヘッドデッキでは、この問題を解決するために、ダブルキャプスタンにしてカセットハーフの構造に依存することなくヘッドタッチを安定させたり、コンビネーションヘッドにして録再両方のヘッドがパッドに当たるようにしたりの工夫がなされている。 しかし、理由はそれだけではなく、実は最大の問題が別にあったように思う。それは・・・ |
・ |
デッキの内部がトランスポート機構や回路基板で一杯になっており、再生用のドルビー回路を収めるスペースがない・・・。 |
これはあくまで館長の想像である。だが、信憑性はある。 というのは、前述のように本製品は2ヘッドの「RS-276U」という製品に再生専用ヘッドと再生専用回路を追加したものなのだが、この「RS-276U」はさらにその下位製品である「RS-275CU」にドルビーNRを追加した製品である。 それぞれの製品は、トランスポート機構はほぼ共通で、筐体もほとんど同じものを使っているのだが、「RS-276U」はドルビー回路を追加したことで、電源トランス部分が内部に収まり切れずに本体後部に突出してしまっている。 これは、当時のドルビー回路がICではなくディスクリートで組まれていたため、かなりのスペースが必要だったためである。 既に内部がギュウギュウの状態の「RS-276U」に、ドルビー回路付の再生専用アンプを追加することなど不可能だったが、ドルビー無しの回路なら何とか押込めた、というのが真相ではないかと睨んでいる(笑)。 |
* デッキ背面のカバー *
(電源トランス部分が出っ張っている。)
再生専用のドルビー回路を組み込むためには全体設計を見直さなくてはならず、かなりのコスト高になってしまうため、再生専用アンプのドルビーデコード機能は省略し、アフターモニターに特化した3ヘッド機として本製品を企画したのではないか・・と想像するのである。 そのため、ドルビーONでの録音中のアフターモニターは、ドルビー(Bタイプ)でエンコードされたキンキンした音をモニターすることになる(笑)。 3ヘッドのトップバッターとしてはやむを得なかったのだろうが、本製品の後に各社から発売された3ヘッドのカセットデッキは、いずれも上記メリットの(1)、(2)両方の実現を目指したものとなっているので、それらと比較してしまうと若干残念ではある。 本製品の最大の特徴である3ヘッドについての話が長くなってしまったが、その他の特徴についても述べていこう。 【ダイレクトドライブ&2モーター方式】 キャプスタンのダイレクト駆動は、初のDD機である「RS-275U」以来、Technicsデッキのお家芸とも言えるが、本製品でも採用されている。 また、早送りや巻戻し時のリール高速駆動時には専用のDCモーターを使う2モーター方式となっている。 【ホットプレスフェライトヘッド】 この時代のTechinicsのデッキは、摩耗に強い「HPF(ホットプレスフェライト)」ヘッドを採用していることが謳い文句であった。 当然ながら、本製品の録再兼用ヘッドは「HPF」なのだが、実は、細い再生専用ヘッドも「HPF」でつくられたナローギャップのヘッドが使われている。 【ソフトタッチボタンによるオペレーション】 これもこの時代のTechinicsの高級タイプのデッキ共通で、テープの走行は軽いストロークのソフトタッチボタンにより操作する方式になっている。 当時のほとんどのカセットデッキは、メカニカルなピアノキー式のボタンで操作する方式であり、これとは一線を画す高級な仕様となっている。 【レベル調整機能付きドルビーNR】 ドルビーNR(Bタイプ)は、本製品が発売された頃の高級タイプのカセットデッキにおいて採用が進んでおり、本製品でも採用されている。 さらに、ドルビー録音されたテープを正しく再生できるように、本製品にはドルビーレベル調整機能が付いている。 【上面操作の水平型デッキ】 これについては、特徴というより1970年代前半のカセットデッキの標準形というべきであるが、本製品もオール上面操作のいわゆる「水平型」のデッキである。 ちなみに、正面操作のいわゆる「コンポタイプ」のデッキが登場するのは70年代の中頃である。 |
前述のように、本製品はいわゆる水平型デッキで、操作等は全て上面のパネルで行うようになっている。 そのパネル面の全体レイアウトは、左側にトランスポート部分を配置し、右側の黒いダッシュボードにレベルメーターや各種スイッチ・ボリュームなどのオーディオ部分がまとめて配置され、分かりやすく使いやすい構成になっている。 また、パネル面の奥の部分は斜めに持ち上がっており、その右側にデッキの動作状況に応じて点灯するインジケーターが設けられている。 |
* デッキの上面パネルレイアウト *
まず電源を入れる。 電源スイッチはパネル面手前、一段低くなっている部分の右にある銀色の四角いボタンである。 電源を入れるとメーターの照明が点灯する。 パネル面の最も左にある黒い「EJECT」ボタンを押すとカセットリッドが勢いよく開く。 リッドとともに内部のカセットベース(受け台)の手前部分も持ち上がる。 カセットテープをベースに載せて下に押すと、カセットはリッド内に固定(ローディング)される。 |
* カセットリッドを開けた状態 *
* 受け台にカセットを載せ、押し下げた状態 *
テープがローディングされたところで、録音の操作に入ろう。 まず、テープセレクタースイッチを使用テープの種別に合わせる。 スイッチは「NORMAL」(=TypeT)と「CrO2」(=TypeU)のいずれかを選ぶだけのものである。 |
* テープセレクタースイッチ *
スイッチを「CrO2」の方にすると、パネル右奥に4つ並んでいるインジケーターのうち、一番右側にある「CrO2」のランプが点灯する。 |
* インジケーター *
(全点灯状態。一番右が「CrO2」のランプ。暗いが、これでも点灯している。)
本製品は、マイク入力端子がバックパネルに付いており、ライン入力だけではなくマイクによる録音も可能である。 しかし、マイクとラインのミキシングはできず、パネル面の右手前にある入力セレクタでどちらかを選ぶ必要がある。 |
* 入力セレクタ *
(入出力に「DIN」ケーブルを使用する場合は「MIC」側を選択する。)
続いて、録音のためのレベル調整を行う。 パネル面の左手前側にある「RECORD」と表示された赤い録音ボタンを押す。 デッキ内部にあるソレノイドが動作して録音スタンバイ状態になり、「RECORD」の赤いインジケーターが点灯する。 |
* RECORDボタン *
この「RECORD」ボタンはソフトタッチで、ストロークはやや大きいが力はほとんど要らない。軽く押すだけで、バシッと反応してくれるのは大変に小気味よい。 この状態で録音レベル調整が可能となるのだが、ドルビーNRを使って録音する場合はその準備が必要となるので紹介しよう。 まず、「DOLBY NR」スイッチを「IN」にする。(黄色い「DOLBY」のインジケーターが点灯する。) |
* ドルビースイッチ(右)とドルビーレベル調整ツマミ(左) *
(ドルビーレベル調整ツマミを使うのは再生時のみ)
録音するテープの冒頭部分に400Hzの単信号(正弦波のことか?)を数秒間録音する。 この時、レベルメーターが「CAL」を指すよう、録音レベル調整ツマミで調整する。 と、取扱説明書には記載されているのだが、実は本製品に400Hzの発信器は内蔵されていない(笑)。 では、どうするのかというと、取扱説明書の記載を転記すると、 「 400Hzの信号源を得るには次の方法があります。 a. 発信器を用いる。 b. 付属のレベル調整用テープを他のカセットテープレコーダーにかけ、それを録音する。 c. マイクロホンを用い、「アー」「イー」などの発声や笛などを鳴らして録音する。 」 ・・・・・。 「a.」は極めて常識的方法だが、残念ながらTechnicsやナショナルから本製品用の発信器は発売されておらず、一般的なユーザーとしては「発信器」とやらをどうやって入手したらよいのか困惑するばかりだろう。 「b.」の「付属のレベル調整用テープ」とは下の写真のものである。この方法では、別途カセットテレコかデッキが必要となるが、最も現実的な方法かもしれない。 「c.」は「冗談か??」と思わせるような記述だが、実際に取説に記載されているのである。 |
* 付属の「レベル調整用テープ」 *
* レベルメーター *
(基準レベルの「CAL」は、2〜2.5VUの位置である。)
* メーター部分の拡大 *
そもそも、この録音は何のために必要かというと、取説の「再生のしかた」に次のような記述がある。 「 あらかじめ録音した信号を再生し、ドルビーレベル調整ツマミでメータの振れが“CAL”を指示するように調整します。」 このことから、ドルビー録音されたテープの正常なデコードに必要な「録音レベル=再生レベル」になるよう、再生時にレベル調整するための基準信号として使うものであることが分かる。 よって、「400Hz程度の高さの音を、レベルメーターが「CAL」の位置を指すよう、調整に使える程度にできるだけ一定の音量で録音すればよい」ということで、あまり堅く考える必要はないようだ。 それにしても、新しいテープに録音するたびに笛を吹いたり「アー」とか「イー」とかを録音している姿というのは、ちょっと他人には見せられない情景だと思うので「a.」か「b.」の方法を採りたいところではある(笑)。 さて、録音レベル調整に話をもどそう。 録音レベル調整はパネル手前右側に4つ並んだボリュームの左の2つを使う。 右の2つは再生レベル調整用のボリュームである。 いわゆる水平型デッキの録音ボリュームには、スライド式のものが使われているケースが多いが、Technicsの高級タイプのデッキには回転式が採用されていた。 スライド式は見た目がカッコイイのだが、古くなると固くなって微調整がしにくくなるし、スライド長が短いものはそもそも扱いにくいという難点がある。 スライドボリュームもピンからキリまであるので一概には言えないが、カセットデッキのボリュームには回転式の方が無難だと思う。 |
* 録音用と再生用のレベル調整ボリューム *
録音レベルの調整は、メーターが大きいこともあって容易である。 調整が終わったところで、いよいよ録音開始である。 録音スタンバイ状態から録音を開始するには「PLAY」ボタンだけを押せばよい。 「ガチャ」という音とともにメカが動作してテープの走行が始まる。「RECORD」のインジケーターの左にある緑色の「PLAY」のインジケーターも点灯する。 |
* 操作ボタン *
操作系の各ボタンは「RECORD」ボタンと同様、軽く押すだけで動作する。 メカニカル式の操作ボタンの場合はボタンのストロークでメカを動かすため、それなりにボタンを押し込む力が必要だが、本製品ではメカを実際に動かしているのは内部のソレノイドなので、操作ボタンは単なるスイッチなのである。 各操作ボタンは、固すぎず、柔らかすぎず、また、押し始めてからONになるまでには適度なストロークがあり、スイッチが入った瞬間に俊敏・確実に動作してくれるので、いかにも「機械を操作している」という楽しさと爽快感が得られる。 |
* 操作ボタンのストローク *
録音や再生中に一時停止する場合は「PAUSE」ボタンの「LOCK」側を押す。(ボタンの「OFF」側や中央部を押しても動作しない。) ボタン奥側のパネル面にある緑色のランプが点灯し、ポーズ状態になる。 本製品のポーズ状態は、ピンチローラーだけがキャプスタンから離れるのではなく、ヘッドブロックも併せて停止状態と同じ位置まで戻ってしまう。つまり、再生時に一時停止すると、見た目は「停止」状態と同じになる(笑)。 勿論、録音時のポーズでは「RECORD」の状態は解除されないので、録音スタンバイ状態になる。 「PAUSE」を解除するにはボタンの「OFF」側を押すか「PLAY」ボタンを押す。 ポーズに関しても一連の動作は内部のソレノイドが行っており、こちらも反応は俊敏で動きも確実である。 録音が終了したら「STOP」ボタンを押す。 内部の動作中ソレノイドが全てリリースされる。 ところで、本製品の操作ボタンは全てソフトタッチだが、トランジスタやICによるロジック回路で動作をコントロールしている訳ではなく、操作ボタンでリレーをON/OFFすることでソレノイドを動作させている。 それなのに、停止状態から「PAUSE」を押すだけで再生スタンバイの状態になったり(「PAUSE」を「OFF」にすると再生が始まる。)、早送りや巻き戻しの状態で「PLAY」を押してもテープ保護のため動作しない(「STOP」を経由しないと受け付けない)ようになっているなど、巧みな動作をリレーの組合せだけで実現している。 長々と書いてしまったが、当時のTechnicsの最高級機だけあって、操作性抜群のデッキだと思う。 |
○音質
まず、本製品の目玉である「アフターモニター」の音を聴いてみよう。 録音中に「TAPE MONITOR」スイッチを「ON」にすると、モニターの音が録音回路の出力(以下「A」という。)から「再生専用ヘッド」による再生音(以下「B」という。)に切り替わるので、スイッチを交互に切り換えて音を比較してみる。 ううむ。 Aの音に較べてBはややハイ上がりで、ざらざらした感じがする。明らかに音質に違いがある。 古いデッキなので、回路素子の老朽化や調整がズレているのかも知れないが、実は、アフターモニター用の再生専用回路は通常再生用に較べてやや簡易的なものになっており、ドルビーがないだけではなくイコライザーもクロム切替のない固定式になっている。 それでも、Aと較べれば違いはあるものの、Bは明るくハッキリした音であり、アフターモニターとして使うには十分な音である。 次に、録音したテープを再生してみる。 「TAPE MONITOR」スイッチを「OFF/PLAY」の側にして聴いてみる。 落ち着いた音で深みがある。 摩耗に強い「HPF」ヘッドの劣化が進んでいないということも効いているのだろう、ソースの音に近い明瞭な音質でもある。 また、テープ走行も40年以上前のデッキとは思えないほど安定している。ゴムベルトを介しないダイレクトドライブの効果だろう。 さすがにTechinicsの高級機と感じさせる音である。 続いて「再生専用ヘッド」で再生してみる。 比較すると、やはり録再ヘッドによる再生音の方が良い。 音の自然さと深みが違う。 再生回路の違いが大きいのではないかと思う。確かに通常は「録再ヘッド」を使って再生した方が良さそうだ。 |
○まとめ
カセットデッキでは困難と言われていた3ヘッド化に挑戦し、初めて実現した本製品は画期的な製品だったと言える。 カセットの録音は、ちょっとしたことで走行が不安定になったり音がこもったり、また、オープンリールに較べダイナミックレンジが狭い故のシビアな録音レベル調整が必要だったりするので、アフターモニターでチェックができるというのは3ヘッド化による大きなメリットである。 本製品の「再生専用ヘッド」の音はアフターモニター用としては十分な音であり、かなりのクオリティを持っているので、さらに再生専用アンプ回路のグレードを上げてドルビー回路が付けられたならば、立派な本格的3ヘッドデッキになったのではないか、と惜しまれるところである。 独特の形をした「再生専用ナローギャップ・HPFヘッド」まで開発しながら、本製品の後続となる3ヘッドデッキが発売されなかったのも残念なことである。 |
○機 能
・ | 3ヘッド方式 |
・ | ダイレクトドライブ・キャプスタン |
・ | 2モーター方式 |
・ | ソフトタッチの操作ボタン |
・ | HPF(ホットプレスフェライト)ヘッド |
・ | 再生レベル調整機能付ドルビーシステム(Bタイプ) |
・ | メモリーリワインド |
・ | 再生専用ボリューム |
・ | クロムテープ切替スイッチ |
・ | ロック式ポーズボタン |
・ | 光電式オートストップ機構 |
・ | マイク・ライン入力切替スイッチ |
・ | 動作表示ランプ |
* デッキ背面全体 *
(右端の丸い出っぱりはリモコン端子に差したプラグ)
* 同上(端子部分の拡大) *
(左から、ライン出力、ライン入力、DIN入出力、マイク入力)
○スペック
・ | ヘッド:再生専用(HPF)×1、録/再用(同)×1、消去用×1 |
・ | モーター:(キャプスタン用)超低速電子整流子モーター×1、(リール高速回転用)DCモーター×1 |
・ | 周波数特性:(ノーマルテープ)20〜15,000Hz(40〜11,000Hz ±3dB)、(クロムテープ)20〜17,000Hz(40〜12,000Hz ±3dB) |
・ | 録音方式:交流バイアス方式、約100kHz |
・ | 消去方式:交流消去方式 |
・ | SN比:(ドルビー OUT)50dB、(ドルビー IN)58dB |
・ | ワウフラッター:0.10%以下 |
・ | 入力:(マイク)600Ω〜20kΩ 0.3mV(-70dB)、(ライン)200kΩ 30mV(-30dB) |
・ | 出力:(LINE)50kΩ以上 0.5V(-6dB)可変、ヘッドホン 8Ω |
・ | 使用トランジスタ:(アンプ部)41石、(制御部)12石 |
・ | 使用ダイオード:(アンプ部)14石、(制御部)14石 |
・ | 使用整流器:(アンプ部)1石、(制御部)3石 |
・ | SCR:1石 |
・ | 消費電力:約30W |
・ | 寸法:440(W)×325(D)×115(H)mm |
・ | 重量:約9.5kg |
・ | 価格:99,800円 |
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