
品 名: | ED-C60 |
販売時期: | 1973年〜 |
スペック: |
テープ種別 TypeT 磁性体 マグネタイト 最大残留磁束密度 1,500ガウス 保磁力 360エルステッド 角形比 0.80 動作バイアス +0.5dB(標準テープ偏差) 感度 +1.0dB(333Hz, 〃 ) 周波数特性 +1.2dB(8kHz, 〃 ) +1.0dB(12.5kHz, 〃 ) 最大出力 +4.0dB(333Hz) S/N +1.5dB( 〃 ) 転写 55.0dB 感度むら 0.3dB 出力変動 0.3VU |
価 格: | ¥550(C45) ¥800(C60) ¥1,250(C90) |
コメント: |
TDKのスーパーLHタイプのカセットである。 「ED」は「EXTRA DYNAMIC」(エクストラ・ダイナミック)の略で、既に発売されていた「D」「SD」に加え、ダイナミックシリーズ最高位のカセットとして発売された。 パッケージ表面のテープのグレードを表す★印は3つとなっている。 本製品は、世界で初めてテープの磁性体に「マグネタイト」を採用したカセットである。 一般的な磁性体である「ガンマヘマタイト」に較べ、「マグネタイト」は特性的には優れているものの、化学的に不安定で転写もしやすいなどの問題があった。 「ED」の磁性体には、化学的手法によって合成され安定性を高めたマグネタイトが使われ、さらに、その純度を高めることで転写効果の問題も解決されている。 さらに、マグネタイトは電気抵抗が低いため帯電に関する問題に対しても有利であった。 この磁性体の採用により、「中低域のMOL+4.0dB、そして高域へほぼフラットに伸びるバランスのとれた音域特性」「ひとまわりスケール感の大きい底力のある音楽特性を発揮」(当時の広告より)としていた。 当時の最高性能カセットであったクロムテープよりMOLが高く、クロムテープの弱点である中低域音の再現性にも優っていたが、ノーマルタイプのテープでありながら、同社のクロムテープ「KR」と同価格という高価なテープでもあった。 パッケージは当時のTDK製品共通のカラーバーによるストライプデザインであるが、オレンジに近い黄色と高級感のあるゴールドという暖色系によりまとめられている。 カセット本体も「KR」と同様のブラックのハーフを採用して高級感を演出している。 「マグネタイト」は黒色の物質であるため、「ED」のテープ表面は一般的なノーマルテープのような「茶色」ではなく漆黒であった。 「黒色テープ=高級テープ」という漠としたイメージがあるが、これが定着したのも「ED」の影響が大きかったかも知れない。 発売当初はC60とC90のみであったが、およそ半年後にC45(C46ではない)が加わった。 |
パッケージ(C60)
パッケージ(C90)
カセット本体(C45)
カセット本体・テープ面(C60)
カセット本体(C90)