品 名: | TDK CASSETTE C-60SD |
販売時期: | 1968年〜 |
スペック: |
テープ種別 TypeT 磁性体 特殊超微粒磁性粉(γ-Fe2O3) 残留磁束密度 1,100ガウス 保磁力 325〜335エルステッド 角形比 0.80 磁性粉軸長 0.4〜0.5μ 磁性粉軸比(長さ/巾) 7〜8 動作バイアス 110%(従来テープ比) 感度 +0.5dB( 〃 、333Hz ) +3.5dB( 〃 、8kHz ) +5.0dB( 〃 、12kHz ) 周波数特性 +3.0dB( 〃 、8kHz ) +4.0dB( 〃 、12kHz ) 感度ムラ 0.3dB(333Hz) 高調波歪率 0.7% SN比 55.0dB 消去効果 68dB 転写効果 57dB 出力変動 1.0VU (以上、当初発売時のカタログ値) |
価 格: | ¥650(C-60F) ¥950(C-60・発売当初) ¥850(C-60・1968年末頃〜) ¥700(C-60・1971年〜) ¥1,150(C-90・発売当初) ¥1,000(C-90・1971年〜) ¥1,300(C-120) |
コメント: | カセット初の音楽専用テープとされ、日本のカセットテープの高音質化の先駆けとなった記念碑的な製品である。 「SD」は「SUPER DYNAMIC」の略で、従来品に較べ磁性体を体積比で1/8と微粒子化したことで、周波数特性やダイナミックレンジが広域化され、カセットテープの周波数特性がせいぜい10,000Hz程度だった当時において、20,000Hzまでの録音を可能とした。 また、新バインダーシステムの導入やテープ表面を鏡面処理することにより、ドロップアウト、ノイズ、高周波数帯の歪みなどを低減させている。 パッケージは、当時のTDKカセット共通のロゴマークを中心としたデザインであるが、ベース色をゴールドとすることにより卓越性と高級感をイメージさせている。 パッケージの中には説明書が入っており、記載されている内容はこのカセットにかけるメーカーの意気込みを感じさせるものだった。 本製品の登場により、カセットテープがハイファイ録音の記録媒体として認識されることとなり、その後他社からも一般品より高性能な音楽専用テープが続々と発売された。 そして、それらが「LH」(ローノイズ・ハイアウトプット)タイプという高級品グレードとして定着していくことになる。 本製品は1968年10月に発売され、当初はC-60(プラケース入り)のみだったが、1970年にC-90(プラケース入り)及び紙箱入りの「SD C-60F」が、1971年にはC-120が発売された。 |
パッケージ (C-60F)
カセット本体 (C-60)
カセット本体及び説明書 (C-60F)
(「SD C-60F」は、DEBO様から御寄贈をいただきました。)