
品 名: | SA-C60 |
販売時期: | 1975年 |
スペック: |
テープ種別 TypeU 磁性体 AVILYN(アビリン) 残留磁束密度 1,500ガウス 保磁力 540エルステッド 角形比 0.83 動作バイアス ±0dB(TDK「KR-C60リファレンス」に対する偏差) 感度 +1.5dB( 〃 、333Hz ) +1.5dB( 〃 、3kHz) +0.5dB( 〃 、8kHz) ±0dB( 〃 、12.5kHz) SN比 +0.5dB( 〃 ) MOL +1.0dB( 〃 、333Hz) +1.0dB( 〃 、3kHz) 転写効果 54dB |
価 格: | ¥700(C60) |
コメント: |
TDKのクロムポジション(ハイポジ)用カセット「SA」の初代製品である。 この「SA」は、クロムテープではないクロムポジション(=ハイポジション)用カセットとしてTDKが初めて開発した製品である。 クロムテープは磁性体に二酸化クロムを使用しているが、本製品はこれに代わり、特殊な酸化鉄にコバルトイオンを吸着させた磁性体「AVILYN(アビリン)」をクロムテープと互換性を持たせるように特性を設定して使用している。 「SA」は高域特性がクロムテープと同等でありながら、クロムの弱点である中低域でクロムを凌ぐ性能を持っており、さらに、クロムテープの問題点であった原料の毒性や米デュポン社が持っていた製法特許による縛り、デッキのヘッドの摩耗なども回避することができた。 クロムテープより価格が安く(「KR」よりC60で100円安)高性能な「SA」は、発売後クロムポジション用テープの定番製品となり、各デッキメーカーのクロムポジション調整用のリファレンステープにもなっていった。 「クロムポジション」は、もともと高音域が強調されるクロムテープの特性に対応するためのものだったが、カセットの宿命であるヒスノイズの改善に有利であることから、「SA」の登場により高性能テープ用のポジションとして新たな存在意義が与えられることとなった。 以後、各社のクロムテープも「SA」のような「クロムタイプ」のテープに置き換わっていった。 なお、本展示品である初代の「SA」は1975年3月に発売されたが、カセットハーフの形状はKRと同じで、ハブ周りが丸い形をしたデザインである。 その年の12月には、カセット本体に改良が加えられてハブ周りが四角いデザインになった「Precision cassette half」版が発売された。 パッケージデザインは、同社のダイナミックシリーズや「KR」と同様のストライプデザインが採用され、製品カラーは茶と銀色が使われた。 また、「KR」まで「TDK」と製品名の間にあった☆が本製品から「-」になった。 この初代の発売期間は短かったが、初期のものと後期のものではパッケージの記載に若干の違いが見られる。 |
パッケージ(後期版)
カセット本体