
品 名: | 1976 第1回 ソニー全日本生録コンテスト優秀作品集 |
時 期: | 1977年 |
テープ種別: | TypeT |
コメント: | SONYが1976年に行った「第1回全日本生録コンテスト」の優秀作品を収録したカセットテープである。 SONYは、1973年に可搬型デッキ「カセットデンスケ」(TC-2850SD)を発売、生録用の機材を多数商品化するなど、1970年代の生録ブームを盛り上げた立役者であった。 その生録ブームの最盛期に実施された同コンテストには、1,000作品以上の応募があったという。 このカセットには、金賞・銀賞・各種優秀賞の全6作品が収められており、審査委員長を務めた故・荻昌弘氏が各作品の解説をしている。 このコンテストは、単に生録音された音そのものの優劣を競うものではなく、生録音された音を元につくられた「作品」を評価するものであったが、当時これを聴いた館長の感想としては、全体的に音質が今ひとつで(当時のアマチュア機材のレベルだとしても。)、また、大変失礼ながら正直「これが優秀賞?」と思うような内容のものもあった。 おそらく、「生録」のイメージであったSLやサーキットなどの特別な音だけではなく、普段の生活の音であったとしても作り方によっては「作品」になり得ることを示すことで、「生録」ブームの裾野をさらに広げたい、という主催者側の戦略的な思惑もあったのだろう。 荻氏が解説の中で「音を録っただけでは作品にはならない。」と語っているように、編集によって他人に聴かせられる作品に仕上げることが、生録の新たな楽しみ方になることを一般に広めたカセットではあった。 ちなみに、館長の一押し作品は「DJ.テープマジックによる声帯模写」で、テープスピードの変化で音程が変わることを物真似に利用した着眼がおもしろく、作者も楽しみながら他人に聴かせる作品を仕上げている感じが良い。 使用されているカセットは、ラベルに記載があるように同社のLHタイプ「HF」のようである。 なお、このカセットは非売品で、1977年6月〜7月の間、SONY製カセットデッキの購入者に対して配布された。 |
カセット本体