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高級オーディオブランドである「LUXMAN」で有名なラックスから発売されたハイポジタイプのカセットである。
1978年末にLUXMANブランド初のカセットデッキが発売され、本製品はその直後に発売された。
本製品には、再生及び録音用の「スキュー調整機構」が内蔵され、異なるデッキで録音したテープを再生する場合に生じるアジマスの微妙なずれを微調整することができる機能(再生用スキュー機構)と独立3ヘッド機(カセットの小窓から録音ヘッドを挿入するタイプ)用にA、B面の録音時のアジマスずれを補正する機能(録音用スキュー機構)を持っていた。
その他にも走行安定性向上のための金属製テープガイド、コンビネーションヘッドに対応した幅の広いヘッドパッド、ヘッドとパッドを常に一定の位置で接触させるための巻バネ構造のプレッシャーパッド、テープ走行時間検出用ガイドローラー(ラックス製の一部デッキでのみ機能)、4ガイドローラー方式の採用など独特の特徴を持っていた。
磁性体には「アビリン」が採用され「全帯域にわたり高MOL(飽和出力レベル)で、ノイズレベルは低く、広いダイナミックレンジを持ち、スケールが大きく、しかも微妙な音色を適確にとらえます。」(説明書の記載から。)
ずっしりとした重量感のある本体、メタリックではあるが落ち着いた色合いのインデックスラベル、スモーク調の透明ケースなど、高級ブランドであることを意識させる製品である。
磁性体が「アビリン」なので、テープの供給元は「TDK」と思われるが、その他のハーフや内部機構は独特のものなので、特注仕様で製造されたものと思われる。
そのためか価格の方もハイエンドで、当時のTDKのハイポジカセット「SA」より350円高い価格設定となっていた。
本製品の機構説明図
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