
品 名: | UD-XL C60 |
販売時期: | 1974年(C46、C90は1975年)〜1977年 |
スペック: |
テープ種別 TypeT 磁性体 エピタキシャル 残留磁束密度 1,500ガウス 保磁力 330エルステッド 角形比 0.88 動作バイアス(規準テープ比) -10% 感度( 〃 ) +1.3dB 周波数特性( 〃 ) +2.8dB(7kHz)、+4.5dB(12.5kHz) 感度むら 0.3dB 出力変動 0.3VU SN比 60.5dB 最大出力レベル(規準テープ比) +4.2dB(333Hz)、-6.7dB(8kHz) 転写 52.0dB 飽和レベル +10.2dB(333Hz)、-6.2dB(8kHz) |
価 格: | ¥650(C46) ¥850(C60) ¥1,250(C90) |
コメント: |
maxell初のスーパーLHタイプのカセットで、XLシリーズの初代の製品である。 製品名の「XL」はエクセレント(EXCELLENT)の略で、「UD-」を付けることによって「UD」の上位互換の製品というイメージになっている。 磁性体として、ガンマヘマタイトを核にしたコバルトフェライトの複合結晶(粒子をそろえたガンマヘマタイトの表面にコバルトフェライトをコーティングさせたもの)である高保磁力の「エピタキシャル」を使用している。 エピタキシャル磁性体は、コバルト添加量によってハイポジション用に調整することも可能であったが、全てのデッキで使用できるように、敢えてノーマルポジション用のテープとして発売したようである。 ノーマルポジション用とすることで特に低歪みを重視した設計の新カセットとして、同社では発売当初、従来の「UD」をLHタイプ、本製品を「LD」(Low Distortion=低歪)タイプと呼んでいた。 一方、カセットハーフの方は、材料に強度や耐久性の高いものを使用。加工精度もフィリップス規格の1/3以下の誤差に抑えて走行安定性を高めるなどの高性能化を図るとともに、表面には細かいストライプの凹凸が刻まれ高級感を高めている。 また、インデックスラベルのタイトル部分には貼り替えができる「セルフインデックスラベル」が採用された。 なお、ハーフの各面には「A」「B」の刻印があり、ラベルが貼られていなくてもどちらの面であるかが分かるようになっている。 さらに、カセットケースには全てに透明の材質のものが使われ、当時一般的に裏面であった側を表面扱いとしてロゴの表示とともにカセット本体の中央部分が見えるようになっており、反対側(一般的には表面の側)には製品の説明が表示されるようになっている。 これらハーフやケースのデザインは、その後のmaxell製品に継承されていっただけではなく他社製品にも影響を与えた。 その後、XLシリーズはmaxellの高級カセットブランドとなっていくが、そのルーツである本製品は、高性能というだけではなく明確なコンセプトと先進的なデザインをもって発売された画期的な製品といえる。 |
パッケージ(C60)
パッケージ(C90)
カセット本体(C46)
カセット本体(C60)及び説明書
カセット本体(C90)