品 名: | PHILIPS EL 1903-01 |
販売時期: | 1964年〜 |
テープ種別: | TypeT |
コメント: |
コンパクトカセットの開発メーカーであるオランダのフィリップス社が一般販売した、世界初のカセットテープである。 フィリップスは1962年にカートリッジタイプの録音テープ「コンパクトカセット」を開発。 テスト販売を経て、63年にベルリンで開催されたラジオショーに出品し、翌64年からカセットレコーダー「EL 3300」とともに本格販売を開始した。 本製品はその当時のもののようだが、その後「コンパクトカセット」の規格に基づいて生産された一般的なカセットとは異なり、カートリッジの背の部分にあるはずの再録音防止用の爪がなく、また、カセットの規格で製造されていることを示す「Compact Cassette」の表示(ロゴ)もない。 さらに、本製品の録音可能時間は往復60分のようだが「C-60」という録音時間の表示も記載されておらず、全体的にプロトタイプモデルのような体裁である。 もちろん、その後に製造されたカセットデッキ等で使用することは可能である。 カセット本体のハーフには後年のLHタイプのようなブラックの部材が使われており、ラベルもブラックが基調で、フィリップス社のロゴマークのみがデザインされている。 そのカラーリングとシンプルさがシックな高級感を醸し出している。 パッケージの方は紙製で、箱を半周する大きなフタが付いている形状となっている。 |
(英国「TAPE RECORDING MAGAZINE」誌/1964年7月号掲載) 当時オープンリールが主流だったテレコにあって、その軽量コンパクトさは圧倒的であり、電池での駆動も可能で、カセットの扱いやすさとともに可搬性をアピールしていた。 |
カセット本体