品 名: | UD-XLU C60 |
販売時期: | 1976〜78年 |
スペック: |
テープ種別 TypeU 磁性体 エピタキシャル(ガンマヘマタイト・コバルトフェライト) 最大残留磁束密度 1,490ガウス 保磁力 545エルステッド 角形比 0.91 動作バイアス +10.0%(クロム規準テープ比) 感度 +2.0dB( 〃 ) 周波数特性 0.0dB(7000Hz、 〃 ) -0.5dB(12500Hz、 〃 ) -0.5dB(15000Hz、 〃 ) 感度むら 0.3dB 出力変動 0.4VU M.O.L.(最大出力レベル) +4.0dB(333Hz) -7.5dB(8000Hz) ノイズレベル -59.5dB(ACバイアスノイズ) -57.0dB(DCバイアスノイズ) 消去 70.0dB 転写 56.0dB |
価 格: | ¥550(C46) ¥750(C60) ¥1,050(C90) |
コメント: |
マクセル初のクロムタイプのテープ(二酸化クロムを磁性体に使っていないが、クロムポジションにて使用するテープ)である。 ノーマルポジション用の「UD-XLT」と併せて発売された。 磁性体は、ガンマヘマタイトを核にコバルトフェライトを複合結晶させた「エピタキシャル」で、旧製品である「UD-XL」で使われたものより針状結晶性を高めた改良版である。 基本的には「UD-XLT」と同じ磁性体であるが、クロムポジション用にチューニングした高保磁力型の「ハイレベル用新エピタキシャル」として使用されている。 この磁性体は、ハイレベル(クロムポジション)のバイアスとイコライザ設定に最適な特性になるよう、磁性体表面のコバルトフェライトを調整して、クロムテープとほぼ同じ保磁力を持たせたもので、クロムテープに較べ、感度・出力ともに全帯域にわたって+2dB以上向上させ、クロムテープの問題とされていたヘッド摩耗の心配も解消させたとした。 クロムテープの出現以来、クロムポジションを使うテープはノーマルタイプより高性能な上位製品というイメージであったが、本製品と「UD-XLT」はテープのグレードも価格も同一に設定され、録音する音楽の種類や好みによって使い分けるという、新しいコンセプトを提唱した製品でもあった。 磁性体が高残留磁束密度型でM.O.L値が高い「UD-XLT」に対し、本製品はクロム用の70μsのイコライザーを使用することで高音域におけるSN比が有利となることから、「高M.O.L.のUD-XLT、低ノイズのUD-XLU」と宣伝されていた。 パッケージやカセット本体ラベルのデザインは「UD-XL」の流れを汲んだもので、「UD-XLT」と同様のものとなっているが、「UD-XLT」がシルバーを基調としているのに対し、本製品はゴールドを基調としている。 カセットハーフは「UD-XL」よりさらに精度が高められており、フィリップス規格の許容値の1/5以内という超精密ハーフとなっている。 ハーフのエンボス加工は「UD-XLT」の縦縞とは異なり、本製品は斜め縞で、さらに上下左右で方向が異なっている。 本製品が発売されたことにより、TDK「SA」で始まった日本製カセットの「脱クロム化」が一段と進むことになった。 そして、「クロムポジション」(=ハイポジ)が、クロムテープに限らず高性能カセットテープを使うための設定として有用であることがさらに認識され、その存在意義が高まっていくことになる。 |
カセット本体